食事

食事

入園時保護者面談を行い、家庭での食事の状況や子どもの状態を把握し、お子様への対応について相談し合い、個々に合わせて無理のないように進めております。
離乳食対応として、「離乳食の進め方の基本」「保育所における離乳食の進め方」「離乳食献立展開例」「にこにこ赤ちゃんの為に」を踏まえ、離乳食を進めております。
乳児の食欲、摂食行動、成長発達の個々のパターン、各家庭の食習慣を考慮し、無理なく初期(ごっくん期)、中期(もぐもぐ期)、後期(かみかみ期)を経て完了期に移行となります。ミルク以外の食物で栄養素を補給することで、咀嚼、呑み込みの練習、味覚、嗅覚、視覚等の感覚を促し、食べる事を楽しめるよう、良い食習慣の基礎がつくれるよう日々指導しております。
合わせて、保護者への支援も行いながら、園長、給食室、担任がご家庭と連携を取って進めております。

初期(ごっくん期)・中期(もぐもぐ期)・後期(かみかみ期)

普通食

5分付き飯
あじのフライ(タルタルソース添え)
きゅうりとトマトの和え物
大根の具沢山豆乳味噌汁

5分付き飯
いりこの手作りふりかけ
鶏肉の照り焼き
ほうれん草と人参の白和え
もやしの具沢山味噌汁

普通食追加3調整

5分付き飯
豆腐とひじきのハンバーグ
ブロッコリーのゆかり和え
まいたけの具沢山味噌汁

アレルギーについて

アレルギーに関しては、入園児に調査用紙に記入していただき、全職員が把握するとともに、医師の診断のもと、家庭との連絡を密にして、他児と変わらない安心安全な保育生活ができることを原則とし、完全除去や代替食を実施しております。
毎月の給食献立をもとにアレルギー児の献立を作成して保護者、給食室、職員と全員で確認しております。
提供する際には、給食室と全職員が声を掛け合い、トレー、名前、机、椅子等を分け、間違いのないように配膳する環境を整えております。
食後も徹底した塩素消毒で掃除をしております。
全職員がアレルギーのある子供を正確に把握するため、給食室にアレルギー児対応表を作成し、誰が見ても確認できるように徹底しております。

食育・クッキング・菜園活動

・菜園活動を通じ、食に興味が持てるように一年を通じ、子どもたちの身近な季節の野菜を育て、直接自然に触れながら植物の生長を感じ、食べ物の大切さを知る。また、生産者や食事づくりの給食室(栄養士、調理師)に対しても感謝の気持ちを持ちながら残さずに食べます。
・クッキング活動では、自分たちで大切に育てた野菜を使用し、自分で作って食べる喜びを知り、又、指先を使った遊び(白玉粉→小麦粉→片栗粉→寒天)から簡単なおやつ作りに繋げ(パン、クッキーなど)大人との関わりや、友だちと一緒に作る喜びを感じられるようにしています。

菜園活動

野菜の成長を観察

夏野菜(トマト、ナス、ピーマンなど)植物(あさがおなど)の生長の様子を観察しております。

クッキング活動

食育

食育活動として、実際に食材に触れたり、年齢に合わせたクッキング(玉ねぎの皮むきやおにぎり作り等)をしたりする中で、食に関して興味を抱き、喜びや意欲につなげていけるように年間計画をたてています。
また、菜園活動を通して、食物を育てていく中で自然に関心を持ち、食物の大切さを知り、感謝できる気持ちを育てております。これからも食を営む力の育成に向け、栄養士による食育指導も行いながら、保育士も年間食育計画に基づいて菜園活動、クッキング等保育に取り入れていきます。

保育所における食事のガイドラインより(厚生労働省)、保育所における食育の実施にあったては食育の5項目(1.食と健康 2.食と人間関係 3.食と文化 4.命の育ちと食 5.料理と食)にそって各年齢の乳児の発達に応じた計画を立てております。保育士の立てる年間食育活動実施計画と、栄養士の立てる食育計画表を2本柱として調理実施計画を立て、クッキングに取り組みます。又、栄養士による食育指導、季節に応じて各クラス野菜の苗を植え栽培、収穫し、給食で食べる、献立内容をボードを使って赤・黄・緑の食物に分け、それぞれの働きを知ったり、保護者に対しても給食試食会で実際に給食を食べて頂いたり、食生活に関する相談の機会を持って頂き食事の様子、内容、食育への取り組みをご理解頂いております。
今後も添加物のない安心安全な食事を知って頂き、ご家庭での食事の参考の一つとしてお話をさせて頂いております。

キッズパレスでは、和食給食に力を入れており、統括栄養士として、渡辺雅美先生と共に和食給食に取り組んでいます。

「アトピーっ子も安心の毎日ごはん」(和食で体質改善)の著者である渡辺雅美先生(キッズパレス3園統括栄養士)と一緒に子どもの健康と食育について考えていきます!

今求められる保育園給食とは?

食べることは生きる源であり、心と身体の発達に密接に関係しています。味覚が形成される乳幼児から、発達段階に応じて豊かな食の体験を積み重ねることで、生涯にわたって健康でいきいきとした生活を送る基盤となる「食を営む力」を培うことが重要です。
子ども対象の食習慣・生活習慣のアンケート調査の結果、朝食の内容は、ごはん約34%、パン(菓子パン)約66%とパン食が多く、夕食は市販のおかずや、インスタント食品を半数が利用している現状です。
このことから、保育園で毎日食べる給食内容は栄養計算を合わせるだけではなく、米の本物の味や、だしのうま味を基本にした和食の献立を、子どもたちに出し続けていかなければならない時代になっています。

なぜ、和食が良いのか?

それは日本人の身体に合っているからです。日本人がご飯と一汁一菜だけの簡素な食事をとっていた頃の子どもたちは発酵食品である味噌・醤油・酢等を上手に使い、乾物や海藻も多く取り入れ、がっちりした骨格で根気のある気質でした。近年は欧米型に傾きがちな食事により和食を食べる機会が減りつつあり、腸内環境は悪化するばかりで、食物アレルギーやアトピーの子どもも増える傾向にあります。
和食の給食を始めると、食べ残しが減り、キレやすかった気性が落ち着いたり、アトピーの子どもに共通していた手足の冷たさが改善されたり、便秘が解消されたり、風邪をひきにくくなったり、肥満児や虫歯の減少等、子どもたちの変化が明らかであると報告がありました。ごはんは消化・吸収がゆっくりで腹持ちが良いのが長所!栄養バランスが自然に整い、丈夫な身体を作る為の土台を築く事が出来ると考えています。そして、お腹いっぱいになることでお友だちと仲良く遊び、心も満たされて思いやるのある優しい子に育ちます。

和食で育む健やかな味覚

嫌いなものを作らない為には、乳幼児期に味覚の情報を増やすことが大切です。様々な味を体験し、美味しさを知ることで味覚は育まれます。日本の和食には、甘味・辛味・苦味・酸味に加えて「うまみ」という味覚があり、乳幼児期はこのうまみを育てていくとても大切な時期でもあります。そこでキッズパレスでは、渡辺栄養士指導の下、昆布といりこで丁寧にだしをとることでうまみ成分の効果を活かし、少ない調味料(減塩)でも美味しく食べられるように心がけていきます。又、日本の伝統食材を伝える為にも和食中心の給食を取り入れます。

和食のよさを知ろう!

2013年和食がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
栄養バランスの良い、一汁三菜の食事の形、季節感を大切にした料理や、伝統行事などの和食の特徴が世界に認められました。

よく噛むことでいいことたくさん!

・脳の発達を促します!・・・脳細胞の動きを活発にし子どもの知育を助けます
・言葉の発音がはっきり!・・・筋肉が発達する事で、言葉の発音がはっきりして表情豊かになります!
・歯の病気を防ぎます!・・・唾液がたくさん出て虫歯を防ぎます
・食べ過ぎを防ぎます!・・・・ゆっくりよく噛んで食べる事で適量で満腹感が得られます。

栄養のバランスがよい和食!

主食であるごはん(五分つき米)は、どんなおかずにも合い、組み合わせしやすいのが
特徴です。また、和食のおかず(主菜)は、魚・大豆・肉などを使っています。特に青背の魚に含まれるDHA、EPAは血液をサラサラにする働きがあり、大豆には肉と同じくらいたんぱく質が豊富に含まれており、
子どもの成長に欠かせない栄養素がたくさん含まれています。

肉には「代謝ビタミン」と呼ばれるビタミンB群が豊富でたんぱく質をエネルギーに変える働きがあります。
また、副菜には旬の野菜や海藻などを使っています。それらにもビタミンやカルシウム、鉄、食物繊維など子どもの成長に欠かせない栄養素が多く含まれます。

調味料であるみそ・しょうゆなど発酵食品にもおなかの調子を整える働きがあります。
これらの食材を偏らないように組みあわすと自然と栄養バランスが整います。

キッズパレスでは

離乳食は、子ども一人ひとりの様子を見ながら、主食の五分つきごはんは1才から進めていきます。
主菜、副菜、味噌汁には旬の野菜を加え、発達段階に応じて形状を変え、スムーズに普通食に移行できるように保育士と栄養士が協力して進めていきます。
普通食では、根菜類などは柔らかくうまみを閉じ込め、安心して美味しく食べてもらえる様にしています。
和食給食から子どもたちの口腔機能の発達を促すように、しっかり噛めて、呑み込む力を養うことを大切に考えていきます。一膳のごはんや一杯の味噌汁を見直しながら、「食」を通じて家族の絆を深めて下さい。

白米と五分つき米は何が違うの?

―五分つき米―
嚥下・咀嚼機能の未発達な子どもにとって、お米はとても食べやすく、噛めば噛むほど口いっぱいに広がる甘味は、誰にとっても美味しいと思える食材です。偏った食事が蔓延している中で、保育園ではお米を中心とした健康的な食事を伝えていきます。

奈良県産の減農薬米を使っています。※

◎五分つき米とは…
玄米と白米の中間にあたるお米です。完全に精米したのが白米ですが、玄米から半分ぬか層を取り除き胚芽のついたものが五分つき米です。

奈良農民連様と提携し、減農薬のお米(五分つき米)を使用し、国産野菜、天然の出汁にこだわり、食の安全に取り組んでおり、昆布の出汁やにぼしも再利用して佃煮にしています。また、グルテンフリー(小麦粉不使用)で、米粉・米油を使用して、給食もおやつも提供しています。

取り扱いのお米について
お米は奈良県の奨励品種「 ヒノヒカリ 」もしくは「 ひとめぼれ 」を使用しています。県の定める農薬基準(慣行基準)に対して、半分まで農薬の使用を控えており、農家さんごとに生産履歴を確認している「安心安全」のこだわりのお米です。

◎良いことがいっぱい五分つき米…

脳の神経伝達作用に役立つと言われているビタミンB1は、お茶碗1杯で白米の約4倍です。又、代謝に必要な役割をしているビタミンB6は、皮膚の健康を保持し、皮膚の抵抗力を強める働きをします。カルシウム、鉄といったミネラルや食物繊維が豊富で、身体の毒素を体外に排出したり腸内の善玉菌の増加に役立ち、毎日摂取することで自然治癒力を高めます。
五分つき米は白米に比べると咀嚼回数も増え、唾液の働きによって消化を助けてゆっくりと吸収されます。
その為、エネルギーの供給に持続性が高く腹持ちが良いのが長所!しっかり食べると心も満たされて、集中力も長く意欲にも繋がります。

味噌汁

日本を代表する発酵食品の一つです。原料の大豆はタンパク質をはじめ、脂質・ビタミンB群・ビタミンE・カルシウム・鉄等が多く含まれています。ごはんと合わせて毎日食べれば免疫力を高めることが出来ます。
「だし」は北海道産極上だしこんぶ、国産瀬戸内かたくいわしを使用し、具だくさん!出しを取った後の昆布も再利用しています。

野菜・海藻類を組み合わせる

食材は安全で安心して食べられるよう、無添加や国産のものを中心に産地を決めています。
旬の野菜をできるだけ皮をむかずに調理します。(大根・人参は基本皮のまま)野菜の皮にもうまみがあり、丸ごと食べることで栄養を余すことなく吸収、昆布・ひじき・わかめ等の海藻類を色々組み合わせることでBカロテンや食物繊維・ミネラルを豊富に取れます。

魚・大豆製品を積極的に!

魚の脂肪は消化しやすく、DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)は血液をサラサラにする成分として知られています。特にアジ・イワシ・サンマ等の青背の魚を積極的に取り入れ、その他、白身魚やビタミンやミネラルが丸ごと食べられる小魚、大豆製品に代表する良質のたんぱく質・カルシウム・鉄の含まれた高野豆腐をフルに活用します。

こめ油

玄米を精米する時に出る米ぬかを絞ったもので、ビタミンE等の健康効果が凝縮されてるうえ、酸化されにくく
風味が良いのが特徴です。

発酵食品ってなあに?

*発酵食品には、身体に良い生きた菌がたくさん含まれています。(それぞれの菌は体にどんな影響をもたらすのでしょう)

「乳酸菌」・・・ヨーグルト・チーズ・納豆・漬物

便秘や肌荒れを引き起こす悪玉菌(人の身体に害になる菌)を抑制し善玉菌(人にとって有益とされる菌)を増やし腸内環境を整え、病気になりにくい免疫力を高めてくれます。

「麹菌」・・・みそ/醤油・みりん

必須アミノ酸、ビタミンB群が多く血行を促進して身体の基礎代謝をあげる作用があります。

善玉菌を増やすキッズパレスのおやつ

*特に難しい事はなく和食を食べるのが基本!
お味噌汁や野菜(食物繊維)たっぷりの食事を心がけましょう!

「ぬきご」や「おから」を使って、定期的におやつとして提供しています。

栄養士 渡辺雅美先生 プロフィール

子供たちの生活の基本
「食べる」「遊ぶ」「寝る」の重要性を見直す。
日本人の身体にあった和食を作りながら、日本の食文化を継承していく
忙しい保護者に代わって、保育園で和食給食をと提唱されています。

渡辺先生は、栄養士として保育園に長年勤務され、その経験をもとに1996年から保育園の給食に和食を導入する活動を開始。
佐藤小児科委員長・小児科専門医の佐藤医師とともに、アトピー性皮膚炎の子供の食事の指導や、出前料理教室を主宰。乳幼児のアトピー性皮膚炎の改善のため、
定期的に講習活動をされています。

広島大学附属病院勤務
著書「アトピーっ子も安心の毎日ごはん」2011年8月出版 他多数
保育園での和食給食推進・指導・講演活動
大阪府堺市、乳幼児のアトピー性皮膚炎の改善
NPO 食の安全と安心を科学する会 理事

■著書 「アトピーっ子も安心の毎日ごはん」2011年8月出版

渡辺雅美 (著), 佐藤美津子 (監修, 編集)

内容:むずかしい知識や、特別な食材はいりません。
いちばんおいしくて、いちばん簡単な、アトピーっ子も家族もうれしい和食レシピ。単行本: 80ページ
出版社: 家の光協会 (2011/7/27)
ISBN-10: 4259563351
ISBN-13: 978-4259563356
発売日: 2011/7/27

■著書 「うつを改善する食事力』2013年5月5日春陽堂発売。
昇 幹夫 (著), 渡辺 雅美 (著)

産婦人科医、麻酔科医、昇幹夫先生とのコラボ。
主人を薬に出来るだけ頼らず、食事で改善レシピ記載単行本: 221ページ
出版社: 春陽堂書店 (2013/05)
ISBN-10: 4394902916
ISBN-13: 978-4394902911
発売日: 2013/05

昇/幹夫
1947年鹿児島生まれ。九州大学医学部卒業後、麻酔科、産婦人科の専門医として大阪在住。平成11年年間1000名の出産を取り扱う病院を退職。現在、大阪や岡山で産婦人科診療をしながら、「日本笑い学会」副会長として笑いの医学的効用を研究。自称『健康法師』の名で全国講演活動中

渡辺/雅美
保育園で栄養士として長年栄養指導を行い、カタカナのメニューを多く摂るよりも日本人の体質に合う栄養のバランスや腹持ちに優れた和食メニューを、保育園の給食に取り入れてもらう活動を行う。園児らのアトピーをこれまでの経験をもとに薬ではなく食事で改善する指導を行うことで、体調が改善した経験から、「和食療法」を広めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)